ジムでズンバを始めてから、体を動かす楽しさに加えて心まで温まるような経験をしました。
特に印象に残っているのは、60代や70代のシニア世代の方々との交流です。
最初は年齢差もあり少し距離を感じていたのですが、実際にお話ししてみると本当に気さくで、優しさにあふれた方ばかり。
手作りのお菓子や料理をおすそわけしていただいたり、丁寧に綴られた手紙を添えてくださったりと、まるで家族のように接していただきました。
ズンバはただの運動ではなく、人とのつながりを生み出し、心まで満たしてくれる特別な時間なのだと実感しています。
年齢なんて関係ない!シニア世代との出会い
最初は緊張していた私
ズンバのレッスンに初めて参加したとき、私は30代後半。
クラスを見渡すと、30代から70代まで幅広い年齢層の方がいらっしゃいました。
特に印象的だったのは、60代後半のMさんとTさんでした。
お二人は私の母よりも年上でしたが、ズンバのステップを軽やかにこなしていて、その姿に圧倒されました。
「こんなに年上の方と、果たして仲良くなれるのだろうか…」と最初は少し緊張していたのを覚えています。
自然に生まれた会話
でも、その心配は杞憂でした。
レッスン後の更衣室で、Mさんが「今日は暑かったですね」と気さくに声をかけてくださったのがきっかけです。
年齢を感じさせない明るい笑顔と、飾らない話し方に、私はすぐに心を開くことができました。
「このステップ、最初は難しかったでしょう?私も最初はついていくのに必死だったのよ。でも楽しいよね」とTさんも加わってくださり、3人でズンバの話に。
年齢差なんて全く気にならない、自然な会話の流れでした。
心温まる手作り料理のおすそわけ
Mさんの特製カレーとの出会い
ズンバで知り合って3か月ほど経った頃、Mさんが「よかったら食べてみて」と手作りのカレーを持参してくださいました。
タッパーの蓋を開けると、スパイスの豊かな香り!
「40年間作り続けているレシピなの。みんなに好評なのよ」と。
そのカレーの深い味わいに感動した私。
翌週のレッスンで感謝を伝えると、Mさんは嬉しそうに「レシピ、教えてあげようか?」と言ってくださいました。
それが私たちの交流のスタートでした。
Tさんの手作りパンと温かい手紙
Tさんからも、定期的に手作りの品をいただくようになりました。
特に印象的だったのは、ふわふわの手作りパンと一緒に添えられた手書きの手紙でした。
「いつも元気にズンバを踊っている○○さんの明るい笑顔を見ていると、私うれしい気持ちになります。いつも癒してくれてありがとう」
丁寧な字で書かれたその手紙を読んだとき、胸が温かくなりました。
こんなふうに思ってくださっていたなんて、全く気づかなかったのです。
季節の恵みを分かち合う喜び
しらす炊き込みご飯の思い出
ある春の日、Mさんが「親戚からしらすをもらったの」と、手作りのしらす炊き込みご飯を持参してくださいました。
たけのこと菜の花も入った、まさに春の味覚満載のご飯。
「しらすは冷凍すると味が落ちるから、新鮮なうちに炊き込んじゃったの。一人じゃ食べきれないから、みんなで食べましょう」
その優しい心遣いに、私はまた感動してしまいました。
単に料理を分けてくださるだけでなく、「みんなで一緒に」という気持ちが嬉しかったのです。
キンカンはちみつ漬けの季節の便り
実はTさんと話したきっかけはお風呂でした。
湯舟に浸かっていると、隣にいたTさんが「目が大きくてすごくかわいいね。ぱっちりおめめがうらやましい!」と声をかけてくれたんです。
突然のほめ言葉にびっくりして、思わず顔が赤くなってしまったのを覚えています。
その後少しずつ距離が縮まり、Tさんの庭で採れたキンカンのはちみつ漬けをいただきました。
小さな瓶に詰められたキンカンは、美しく輝いていました。
「風邪の季節だから、お湯で割って飲んでね。ヨーグルトにかけるのもおすすめです」
と書かれた手紙も一緒でした。
Tさんの手紙はいつも、私の体調を気遣う言葉から始まります。
まるで本当の家族のように心配してくださる姿に、いつも感謝の気持ちでいっぱいになります。
手紙に込められた温かい気持ち
心に響く手書きのメッセージ
お二人からいただく手紙には、いつも心温まるメッセージが綴られています。
最近では、こんな内容の手紙をいただきました。
「○○さんと出会えて、毎週のズンバがより楽しくなりました。年の差なんて関係なく、一緒に汗を流し、笑い合えることがこんなに幸せだとは思いませんでした」(Mさんより)
「若い○○さんから刺激をもらって、私も新しいことにチャレンジしようと思えるようになりました。ズンバで体を動かすだけでなく、心も軽やかになります」(Tさんより)
このような言葉をいただくたびに、私の方こそお二人から多くのことを学ばせてもらっているのにと、恐縮してしまいます。
デジタル時代だからこそ価値のある手紙
今の時代、連絡手段といえばLINEやメールが主流ですが、お二人は必ず手書きの手紙を添えてくださいます。
その温かみのある文字を見ていると、きっと私のことを思いながら、一文字一文字丁寧に書いてくださったのだろうなと想像できます。
手紙という形だからこそ伝わる気持ちがあるのだと、お二人から教えていただきました。
世代を超えた学び合い
人生経験から学ぶこと
Mさんからは料理のコツだけでなく、人生の先輩としてのアドバイスもいただきます。
「長い人生、山あり谷あり。でも必ず乗り越えられるから大丈夫よ」と励ましてくださいました。
Tさんは、いつも前向きな考え方を教えてくださいます。
「年を重ねることを恐れる必要はないの。毎日新しい発見があって、楽しいこともたくさんあるよ」という言葉は、今でも私の心の支えになっています。
私が伝えられること
一方で、私からも新しい情報やちょっとした便利グッズなどを紹介させてもらっています。
スマートフォンの使い方や、最近の流行について話すと、お二人はいつも興味深そうに聞いてくださいます。
「若い人の感性って素晴らしいわね」と言ってくださるのですが、私はむしろお二人の豊かな経験や知恵に学ぶことの方が多いのです。
私も地元に帰省した際には地元の銘菓をプレゼントし、手紙も添えています。
お2人とも和菓子が好きなのでとても喜んでくださり、こちらもうれしい気持ちに。
ズンバは世代を超えた交流が生まれる素敵な場所
ズンバを通じて出会ったMさんとTさんとの交流は、私にとって本当に貴重なものです。
音楽に合わせて楽しく踊るズンバが、年齢の壁を取り払ってくれました。
同じリズムで踊り、同じように汗を流し、同じように笑顔になる。
そんな時間を重ねるうちに、年齢なんて関係なく、心と心でつながることができたのです。
手作り料理のおすそわけや温かい手紙を通じて、お二人は私に「人と人とのつながりの大切さ」を教えてくださいました。
忙しい日常の中で忘れがちな、相手を思いやる気持ちや感謝の心を思い出させてくれます。
ズンバは単なる運動ではありません。
世代を超えた友情が育まれる、とても素敵な場所なのです。
転勤し、当時レッスンしていたジムから離れてしまいましたが、シニア層のジム友とのご縁は今も続いています。
ズンバをはじめなければ出会うこともなかった素敵な方々です。
もしズンバに興味がある方がいらしたら、ぜひ一歩踏み出してみてください。
年齢を気にする必要はありません。
そこには、きっと温かい出会いが待っているはずです。